特に金額の高い商品は、「できればお金を出したくない」という心理が無意識に働いて、お客様のほうで、買わなくていい理由をどんどん考えだしてしまうからです。

 そうならないように、熱が冷めないうちに「やる」と決めていただくよう、「やってみませんか?」と、ハッキリ口にして背中を押すことが必要なのです。あなたは、商品について説明するために、時間も労力もかけていますし、会社も、そのために設備を整え、給与を支払っているのですから、確認するのが当然です。

 そして口約束だけではなく、決意表明として、申込フォームにその場で記入していただく――そこまでを、間髪を入れずに一連の流れで完了させることです。

セールスを断られても
自分が嫌われたわけではない

「やる」「やらない」「買う」「買わない」をその場で決めてもらうメリットの一つは、キッパリと次のお客様へと、自身の頭を切り替えられることです。

 人間は、物事を自分の都合のいいように解釈しがちです。

「検討します」という、「はい」とも「いいえ」とも取れる曖昧な返事をしたお客様に対しても、買ってくれるのではないかと自分に都合よく解釈して、数日間、「まだかな」「連絡こないな、おかしいな」と、モヤモヤした気持ちで過ごすはめになります。でも、1週間をすぎてもなんの連絡もしてこないお客様は、ほぼ買いません。

 一方、その場で「今回はやりません」とハッキリ断られると、多少はガックリきますが、すぐに頭を切り替えられるので、次のお客様との商談に当たるスピードで差がつきます。

 これが毎週、毎月、積み重なると、かなりの差になります。

 たとえセールスをして断られたとしても、それはあなたが嫌われたわけではありません。