大阪・関西万博について、大手ゼネコンの大林組、清水建設、竹中工務店をそれぞれ代表とする共同企業体(JV)が主要会場の工事を落札した。入札に大手ゼネコン5社が勢ぞろいすることはなく、在阪の準大手・中堅が主導するJVの姿もなかった。特集『沈むゼネコン 踊る不動産』(全20回)の#5では、大阪・関西万博を巡る受注合戦の実態を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)
ゼネコン首脳はつぶやいた
「君子は危うきに近寄らず」
「君子は危うきに近寄らず」
2025年に開幕する大阪・関西万博。その主要会場となる3工区の建設工事の入札結果を見ながら、あるゼネコン首脳はつぶやいた。
当初の予想通り、大手ゼネコンのうち関西が地盤の大林組と竹中工務店は、地元組の意地を見せ、それぞれ1工区ずつを落札した。在京組では、清水建設が受注した。
入札に、最大手である鹿島や、在阪の準大手・中堅が主導するJVの姿はなかった。注目プロジェクトの受注合戦にしては、メンツがあまりにも寂しいのはなぜなのか。「君子は危うきに近寄らず」とは、どういうことなのか。応札の実態からこれらを明らかにしよう。