日常生活では、こうしたプラス感情とマイナス感情が、つねに生まれています。それが積み重なり、プラス感情が大きくなった人の心はプラスに傾きます。反対に、マイナス感情が大きくなった人の心は、マイナスに傾くのです。

 そして、心のなかにマイナス感情がたまっていると、人は自然とマイナス思考になります。そのため、一度不安がわくと、「また失敗しそう」「私ってダメな人間」というふうに、次々とマイナスのほうに考えてしまうのです。

 そういうときは「私はなぜこんなに疲れているの?」と、自分の心に問いかけることからはじめるとよいでしょう。不安の正体をつかめば、マイナス思考をやめることができます。

ポイント:不安が大きいのは、心を占めるマイナス感情のせい。

マイナス感情を捨てる

「仕事でキャリアアップしたい」「英語を話せるようになりたい」「自分の好きなことをして、ストレスのない生活を送りたい」……、こんな希望をもちながら毎日、一生懸命にがんばっても、現実はなかなか思いどおりにはならないものです。

 自分の仕事をきちんとこなし、勉強や習いごとに精を出して、ファッションにも気を遣って、さまざまな努力をしているのに、あまり効果を感じられなくて心が疲れてきた……。

 まさに今、そういう状況にある人もいるかもしれません。

 このとき、心を占めるマイナス感情の割合が大きすぎて、プラス感情が入ってくるゆとりがないという状態です。プラス感情がないわけではないのですが、マイナス感情のパワーのほうが勝るため、打ち消されてしまうのです。

 毎日を笑顔ですごし、ポジティブに生きるスキルを学んでも、かえって心が疲れるのは、こういった理由からです。

 ですから、心が疲れている人が真っ先にやるべきなのは、心のなかのマイナス感情を捨てることなのです。