前向きにがんばるのは、とても素敵なことです。しかし、心のなかのマイナス感情が多いときは、「こんなに努力しているのに、報われない」「がんばるだけムダ」と投げやりになることもあります。そうなる前に、マイナス感情を吐き出すことが重要です。

ポイント:がんばるよりも捨てるほうが先。

気持ちを紙に書き出す

 心のなかのマイナス感情を減らそうとしても、マイナス感情の正体がはっきりとわからない、という場合があります。

 そういう場合は、なんとなく心配なこと、不安なこと、怖いこと、不愉快なこと、怒っていること、悲しいこと、心配なことなどを、一つひとつ紙に書き出してみるとよいでしょう。

 こうすると悩みを客観的に見ることができるようになります。

 誰にも見せるわけではないので、書き出すときには、気持ちをごまかさないで、正直に本当の感情を書くようにします。そうしないと本当の悩みに触れられないからです。

 私たちはふだん、生活を穏やかにすごすために、悪口を言ってはいけない、怒らないほうがいい、というように自分の気持ちをごまかして、見て見ぬふりをしています。その感情のフタを外してみると、予想以上の怒りや悲しみ、不安、いらだちなどが心の奥にあった、と気づいたりします。

 ですから、その紙には、ネガティブな言葉がたくさん並ぶかもしれません。それを見ても、自分は性格が悪い、心が狭いなどと自分を否定する必要はありません。

 代わりに、「私、大変だったね」「つらかったよね」「ムカついたよね」「腹が立つのは当然だよ」と受けとめてあげるのです。

 人は、自分のマイナス感情を誰かに認めてもらえると、その感情が小さくなるという性質があります。ですから、紙に書いて自分の感情をあぶり出し、 自分自身に共感することで、マイナス感情が小さくなる効果が期待できるのです。

ポイント:「つらかったね」と言われると、つらさが小さくなる。