「自律的なモチベーション」を高めるための方法

 企業における組織の中でよく耳にするのは「部下のモチベーションが上がらない」という上司の悩みだ。部下の「自律的なモチベーション」を高めるために、上司にはどのような対応が求められるのだろうか。

伊達 部下の「自律的なモチベーション」を高めたければ、「自律性を支援する」ことが重要です。上司から部下に対して、自律性を促す支援があるほど、部下の「自律的なモチベーション」は高まります。ここで大事なことは、部下自身が「上司は自分の自律性を支援してくれている」と認識することです。上司がいくら意識して部下の自律性を支援したとしても、当の部下がそれを実感することができていなければ、「自律的なモチベーション」は高まらないのです。

 例えば、「自律性を促す支援」はどのようなものか?

伊達 サイバーエージェントの曽山哲人さんが「抜擢すること」の重要性を伝えています。これはとてもよい表現だと感じます。少し背伸びをしなければ達成できないようなプロジェクトや業務を部下に任せること。そして、それに対する期待感を告げることで、自律性を促す支援がなされていることを部下自身に理解してもらうのです。

 上司がマイクロマネジメントをしたり、細かな進捗管理ばかりをしていれば、部下の「自律的なモチベーション」の高まりは期待できなくなると、伊達さんは語る。部下への指示などを口に出したい気持ちを、上司はグッと我慢することも必要なのだ。