また、感情反応でなく認知反応を心がけるようにすることも大切だ。良い結果が出なかったとき、感情反応が優勢な子は、「あんなに頑張ったのにうまくいかなかった」と落ち込んだり、「どうせ自分はダメなんだ」と自暴自棄になったりしがちだ。それではモチベーションは下がってしまう。

 そんなときも、認知反応が優勢な子は、適度に気分転換をしながら、「何がいけなかったんだろう?」「どこができなかったんだろう?」とうまくいかなかった原因をモニターし、「どうすればもっとうまくいくようになるだろう?」「どうすればもっと力をつけられるだろう?」と今後に向けての対処法を模索する。

 このように、結果ばかりにとらわれずに達成感や爽快感、充実感、成長感に目を向けるように導いたり、認知反応を心がけるように導いたりすれば、失敗でモチベーションを下げることなく、失敗を糧にしてパワーアップしていける。

「スモールスタート」で習慣をつくる

 机に向かって勉強するには、遊びに出かけたり、好きなことをするのと違って、意志の力が必要である。勉強で思うような成果が出せない子がよく口にするのは、「意志が弱いからダメなんだ」というような台詞である。

 勉強だけでなく、スポーツでも、ピアノやヴァイオリンでも、上達するためには努力を継続する必要がある。だが、よほど根気のある子でないと、なかなか思うような成果が出ないのに継続するのは難しい。どうしても安易な方に流され、つい怠け心に負けてさぼってしまう。そこを踏みとどまって努力し続けるには、強い意志の力を要する。