銀行危険度ランキング2024#1Photo:PIXTA

金利上昇に空前の株高が続き、国内銀行の外部環境は大きく改善した。ところが、2024年3月期決算を見ると、いまだに負の循環から抜け出せていない銀行も多くあることが分かる。そこで、特集『銀行危険度ランキング2024』(全6回)の#1では、収益力や効率性、市場評価の観点から五つの指標を設定し、全105行の総合ランキングを作成した。するとワースト5位以内のうち3行が同一県内の地方銀行となり、地域の特徴も顕著に表れた。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)

金利上昇&株高でも苦しい銀行は?
全国105行を五つの指標で丸裸に

 国内銀行を取り巻く環境は、この1年で激変した。

 発端は2023年7月、日本銀行によるYCC(イールドカーブ・コントロール)の柔軟化の決定だ。その後、0.4%台で推移していた長期金利は上昇局面に転じ、24年5月には1%台に達した。

 変わったのは金利だけではない。24年2月には日経平均株価が34年ぶりに史上最高値を更新し、3月には一時4万1087円に達した。その結果、銀行が保有する株式の評価益が増加。金利上昇と株高によって、銀行業界にもようやく春が到来している。

 しかし、外部環境が好転してもなお、低収益体質が続く銀行も多い。金利上昇によって増大した多額の含み損に加え、本業の不振も相まって負の循環から抜け出せないのだ。

 そこで、本業利益率や運用総合利回り、市場評価スコアなど五つの指標を設定し、全国105行の銀行をワースト順に並べた。金利上昇と空前の株高が重なっても苦しい経営が続く銀行はどこか。ワースト上位のジリ貧銀行は、今後間違いなく生き残りが厳しくなり、再編・淘汰の対象となるだろう。

 24年3月期の最新決算を反映した「銀行危険度ランキング2024」で、その具体的な銀行名を明らかにした。次ページで全105行の最新序列をお届けする。