高く売れる3つのハイブランド、売れにくいアイテムも

 最近、やたらTVのCMやチラシでブランド品・貴金属買い取り店を見かけることが増えた。中古品ビジネスは買い取り=仕入れで、まず客に持ち込んでもらわなくては始まらない。買い取りチェーンが増えているということは、高く売れる物を常に探しているということだろう。

 通常のリサイクル店の場合は、店頭で売りたい価格の3分の1ほどが買い取り金額の目安(むろん状態によって異なり、買い取り不可も多い)で、発売から時間がたっていない物のほうが高く売れるのが常だ。

 ただし、ブランド品は少し異なる。人気ブランドの人気シリーズであれば買い取り価格の下落は緩やかだ。さらに、ブランドによって値の付き方が違う。買い取り店いわく、リセールバリューが安定しているのは、女性物アイテムで言えばルイ・ヴィトン、シャネル、エルメスの3ブランドが鉄板という。それ以外のブランドだとやはり買い値はやや落ちる。

 日本の景気が絶好調だった80年代にこれらのブランドに親しんだ人が多いので、「ブランド品と言えばこれ」という認識が刷り込まれているともいえるだろう。高く買い取られるのは「ひと目でそのブランドだとわかるロゴやデザインの物」で、ヴィトンでいえばモノグラムやダミエが人気だという。

 若い頃にLVマークを見慣れてきた世代には古くさくも感じるが、定期的なリバイバル人気もあるらしい。たまたま筆者が持ち込んだ25年前の定価が3万5000円というモノグラムのミニポーチに、それを5000円上回る4万円が買い取り価格として提示された。四半世紀もたつ中古品なのに、値下がりどころかアップしたのだ。

 ちなみに、ブランド品でも財布は人気がなく、買い取り価格が高くならないそうだ。お金の器としてあえて中古品を選ぶ人は少ないとの説明で、未使用品でも大した値段が付かなかった。現在ブランド品の財布を使っている人は、リセールバリューには過度な期待はしないほうがよさそうだ。

 ただ、資産価値を重視する場合、気になる点がある。

 ハイブランド品をありがたがっていた世代が一気に退場し、Z世代が消費の主役になっても、ブランド価値はまだ上がり続けるのだろうか?ブランドバッグが欲しい人がいなくなれば、そもそも取引自体がなくなってしまうのではないか。