買う人がいないと成り立たない二次流通

 過日、英国のエリザベス女王が亡くなった。その国葬の模様を通じて、壮麗なる英国王室の歴史と伝統に魅せられた人も多いだろう。

 英国は、古いアンティークを大事にする国だ。アンティークとは一般的に作られてから100年以上たったものを指し、いうなれば中古品である。このところアンティークジュエリーショップの方に話を聞く機会が多いのだが、皆一様に「日本では西洋アンティーク好きがどんどん減っている」と話す。

 取引価格も高額だし、そもそもコレクターが高齢化しているのが現実のようだ。

 このところの金高騰でアンティークジュエリーも金部分をバラして売ったほうが高いとなり、ヨーロッパにもいい商品は残っていないという。そもそも数が少ない上に円安のダブルパンチで買い付けも厳しいそうだ。これは価値のあるものだからと今背伸びして買ったとしても、将来買う人がいなくなってしまうような縮小する市場もあり得る。

 将来高く売れるのでは――という中古アイテムは、市場が続くものに限られる。それを買えるだけ、人々に豊かさがあるかないかという点も重要だ。