今年の夏は、あまり暑くなってほしくない。電気代の支払いが大いに気になるからだ。その理由は、いわずもがなのウクライナ情勢だ。真夏の節電にも限界がある。そこで、支払い方法でどれくらい差が出て、節約できるのか調べた。(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)
避けられない電気代高騰、
真夏は月1万円超えもあり得る!?
我々が払う電気代には「燃料費調整制度」という仕組みがある。原油、LNG(液化天然ガス)および石炭の燃料価格を自動的に反映させるものだ。つまり、燃料費が上がれば電気代も上がる。各電力会社では毎月月末ごろに2カ月先の燃料調整単価について発表するが、東京電力エリアの家庭では2022年1月以降、毎月連続して上がっている。
しかし、今はまだ序の口かもしれない。
ロシアは自国への厳しい態度を崩さない欧州に対し、天然ガスの東欧2カ国への供給を止めるなど、エネルギーを人質に取るような戦略に打って出た。今後もさまざまな方面に影響を及ぼすと考えられ、エネルギー資源を輸入に依存する日本にとっても、人ごとではない。
ただ、電力会社も天井知らずで料金を上げられるわけではない。燃料価格が上乗せできるのは基準価格から5割までとの取り決めはあり、それが電気代の上限だ。
とはいえ、冷房シーズンを迎えると家庭で使用する電力量自体が増えるため、楽観はできない。東京電力によると、平均モデル家庭で6月の電気代は8565円とのことだが、冷房シーズンともなると軽く1万円超えになってくるのではないか。
家計の節約は既に手を尽くした…という人も多いかもしれない。しかし、支払い方法を変えれば、まだ節約できる可能性がある。逆に節約と思っている支払い方法が、逆だったということもある。次のページの表を見て確認してみよう。