米国債への売り圧力が和らぐ兆しはほぼ見られない。利回りは十数年ぶりの高水準に達し、金融市場全体にさらなる打撃が及ぶ恐れがある。債券投資家はすでに、記憶にある限り最悪のリターンに直面している。米国債利回りは先週、インフレ関連の新たな悪材料や底堅い景気指標、外国市場で続く混乱を受けて上昇を続けた。10年物の米国債利回りは14日、4.005%で取引を終えた。週間では11週連続の上昇で、4%超の水準で終えたのは、新たな超低金利時代の到来を告げる金融危機の真っただ中にあった2008年10月以来だった。週明け17日も小幅に上昇し、4.012%となった。今年は債券価格の急落(利回りの急上昇)が債券だけでなく株式にも打撃をもたらしている。満期まで保有すれば実質的に無リスクとされる米国債で、より高い将来リターンを得られるようになったため、米国債よりもリスクの高い資産(株式)に投資家が支払う価格が急落したのだ。
米国債市場の苦境続く 株価にも打撃
10年物の米国債利回りは先週、2008年10月以来初めて4%超の水準で取引を終えた
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