◆「いい自己肯定感」と「悪い自己肯定感」
◇ビジネス社会は「他者評価社会」

 自己肯定感には2種類ある。それは、自律性自己肯定感(自分の内的な基準に基づいた自己肯定感)と、他律性自己肯定感(社会評価に基づいた自己肯定感)だ。前者が「いい自己肯定感」であり、後者が「悪い自己肯定感」である。同じ自己肯定感でも、中身が全く違う。

 競争社会の現代では、どうしても社会的な基準に目が行きがちである。売上評価や出世争いなど、会社や社会が作った基準(社会評価)で順位がつけられるため、それを過剰に意識してしまう。言い換えると現代は他者認知社会なのである。それにどっぷりハマってしまうと、自己認知よりも他者認知を優先してしまう。

 社会的な評価や基準に合わせてばかりいると、本当にやりたいことや、自分にとって大切なことを見失ってしまう。また、時代が変われば社会的な評価や基準は変わっていくものだ。他律性の自己肯定感は非常にもろいものなのである。

◇自律性自己肯定人間は最強の人格

 自律性自己肯定感の高い人は、周囲からの否定的な評価に対して、自信をなくしたり落ち込んだりすることはない。また、他人の意見を取り入れられるだけの余裕がある。さらには、ありのままの自分を受け入れることができ、欠点や能力の不足に関しても冷静に受け止められるのだ。

 自律性自己肯定感が高い人の強みは、ストレスに強く、怒りをコントロールするのが上手い点だ。さらには、集中力とやる気が高く、創造性に富んでいる。自律性自己肯定感の高い人は、最強の人格を手にしたといえる。

◆自己認知、どの程度できている?
◇自己認知で自己肯定感を上げる

 どうすれば自律性自己肯定感を持てるのだろうか。その第一歩が自己認知である。まず、あなたがどの程度自己認知できているかを把握する必要がある。次の3つのポイントを自己分析してみよう。