米国のある全寮制高校で社会的実験が行われている。生徒と教員全てを対象にスマートフォンを禁止するというものだ。マサチューセッツ州北西部ウィリアムズタウンにあるバクストン・スクールは生徒57人のこぢんまりした高校だ。円卓を囲んで家庭的な食事を取り、生徒と教師が雑用を分担するといった結びつきの濃さを常に誇りにしてきた。だがスマホの普及に伴い、そのような共同体の意識は損なわれたと教員たちは話す。生徒たちは食事中も、スマホ使用が禁じられている授業中でさえも、スクリーンに視線を落とすことが多かった。教師らは「ガジェット警察」の役目に嫌気が差してきた。放課後、生徒たちはラウンジに集まることもなく、自室にこもってスクロールしたり、メッセージを打ち込んだりするようになった。2020年に新型コロナウイルス感染が拡大し、学校が数カ月にわたり閉鎖されると、バーチャル授業に移行し、事態はさらに悪化した。
スマートフォン禁止した高校、生徒は意外に平気
米マサチューセッツ州の全寮制学校で実験、そこから学べること
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