「こんなところにいるのは健全じゃない!」

 大半の中高年社員は、居づらくなって苦しむ。電通の窓際社員たちは、米国だとばっさりレイオフされるが、日本では雇用が守られる。そうした、“人生の消化試合”を送っている人たちと一緒に働いて、やりがいを感じられるだろうか。

 これは中高年が転職を考える際にも言える話だ。電通の希望退職に応募して辞めた社員(50代前半)は、辞めた理由をこう語っていた。

「まったく仕事をしてない人が年収1000万円以上の高い給料もらっている職場にいるのが嫌になりました。忙しい若手は不満を持っているから職場の雰囲気が悪いし、契約社員は年収600万円ほどで、5年で切られている。こんなおかしな経営をしているところにいるのは健全じゃないな、と。自分のいちばんの動機は『ジジイと一緒が嫌』なんです。今は、社員数百人の若い会社で、自分も30代に戻ったみたいに、楽しく働けています」

(本記事は『「いい会社」はどこにある?──自分だけの「最高の職場」が見つかる9つの視点』の本文を抜粋して、再編集を加えたものです)