なぜ三菱地所は50代以上が全員
「年収2300万円の部長以上」なのか
組織の拡大中は、この問題が起きない。
たとえば三菱地所は、もともと丸の内地区で保守的な法人向け賃貸業をしていた会社で、そこから商業モール開発や個人向け住宅開発など拡大路線に転じたため、役職ポストが増え続けた結果、現在の50代以上の世代は、全員が最低でも部長以上(年収約2300万円)に昇進しているという。
かつて新卒の同期入社が10人前後と少なかった時代もあるが、現在では部長ポストのほうが32個に増えたからだ。今後は増えるとは限らないので、《組織の成長途上で入社したか否か》がポイントとなる。
一方、リストラ中の電通は、同期100~150人に対し、一般企業の部長にあたる「局長」ポストは35個だけだから、ポストにありつく競争率が高い。
要するに、大企業でも中小企業でも、自分で権限を持って仕事をしたいのなら、これから成長する会社を選ぶのが得策、ということである。
成長していない会社の場合、ポストは増えない。すると、「ピラミッド組織の法則」によって、年齢が上に行くほど、目詰まりし、ポストに就けない人が増えていく。
日本では「入り口」は自由だが「出口」が禁止されている(解雇規制)ためだ。上層に候補者が溜まっているので、若い人には、チャンスがさらに回ってこない。
リストラ中の組織では、40代でも、まだ若手扱いとなる。いつまでたっても、自分で権限を持って仕事に臨むことができない。