今年10月、アドビの年次イベント「Adobe MAX 2022」が3年ぶりにリアルの場で開催された。9月にアドビのエグゼクティブフェロー(顧問)に就任し、同イベントにも参加した及川卓也氏が着目したテーマは「AI」と「コラボレーション」だ。AIとのコラボレーションがクリエイターやビジネスパーソンにもたらす未来を、及川氏が考察する。
Adobe年次イベントの重点テーマは
「AI」と「コラボレーション」
10月18日〜20日の3日間、ロサンゼルスでアドビの年次イベント「Adobe MAX 2022」が開催されました。Adobe MAXはクリエイティブとテクノロジーの祭典と呼ばれる同社のプライベートイベントです。私はこの9月にアドビのエグゼクティブフェロー(顧問)に就任しており、その関係で現地に参加してきました。
イベントは新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン開催が続いていたのですが、今年は3年ぶりにリアル会場とオンラインのハイブリッド開催となり、リアル会場には6000人ほどが参加。クリエイターの祭典と銘打つだけあって、純粋なテック系イベントとは雰囲気が違います。誰かがその違いを「髪の色を見ればわかる」と言っていたそうですが、確かに紫や緑、ピンクの髪色の人がたくさんいます。グーグルやマイクロソフトが開催するエンジニア向けのイベントに比べるとファッショナブルで、着ている服も多彩でした。
さて、今回のイベントでは、アドビの進化や、今後目指すところを基調講演などで発表しています。中でも私が強くメッセージとして受け止めた1つが、AIの活用。そしてもう1つが、複数人でクリエイティブ作業を行うための共有やコラボレーション、コミュニケーションといったキーワードです。