ビジネス社会で成功するために、
学歴や偏差値よりも大切なこと

 ここでは具体的に「時間厳守」を例にしてみましょう。

「遅刻をしない」というのは、人として最低限守らなければいけないルールです。しかし社会人になったからにはそれだけでは足りません。ビジネスでいう「時間厳守」とは、始業から終業まで、1分たりとも無駄にせず、全力で業務に集中することを意味します。

 そのため、9時始業なら、8時半までには出社できるように家を出ましょう。そうすれば多少電車が遅延しても、始業時刻に送れることはありません。

 出社後にすることは、前日の終業後に受信したメールの返信、今日やらなくてはいけない作業の確認、作業に必要なデータをそろえるなど、朝礼が終わった直後から全力で業務に取り掛かれるよう、万全の準備を整えておくことが大切です。

 また終業前には、作業のやり残しがないか確認し、もし終わっていないものがあれば、必ず片づけてから帰らねばなりません。前日の積み残し作業を、翌日の業務時間に充てることは「時間厳守」の原則から外れるからです。

 今例に挙げたような「ビジネスの基本動作」が習慣化している人は、仕事の内容や置かれた環境にかかわらず、確実に成果をあげることができます。その一方で間違った習慣が身についてしまった人は、一時的に成果をあげることができても、安定して成果を残すことはできません。前者の方がお客様や上司から評価され、ビジネス社会で成功を収める可能性が高いのは言うまでもないでしょう。

「時間厳守」という習慣一つ取ってみても分かる通り、「ビジネスの基本動作」を習慣化させるには、学歴や偏差値の良し悪しなどまったく関係ありません。

 ですから、あなたが上位校出身者であっても驕ってはいけません。逆に学歴が良くないからといって、卑屈になる必要もありません。いつでも謙虚に、前向きに、素直な気持ちで、目の前の仕事に取り掛かる姿勢が大切なのです。

(本記事は『あなたのビジネスライフは入社3年で決まる』から抜粋・編集したものです)