ビジネス社会のスタートラインは、
誰にとっても平等である

 私の経営する会社には、毎年、様々なバックグラウンドを持った若者が入社してきます。大学卒、短大卒、専門学校卒、高卒――最終学歴も出身校もバラバラ。学んできたことや経験してきたことも皆それぞれです。私は、入社式で毎年彼ら、彼女らに対して、次のように話しております。

「ビジネス社会のスタートラインは、誰にとっても平等です。

 皆さんの中には偏差値の高い人もいれば、課外活動で表彰されたことのある人、留学やボランティア活動の経験者もいるでしょう。

 しかし残念ながら、ビジネスの世界に最初の一歩を踏み出した瞬間から、それら一切合切がリセットされます。つまり全員ゼロから、『よーい、ドン』でビジネスライフが始まるのです」

 学生の頃、あなたは偏差値の良し悪しだけで評価されてきたのではないでしょうか。通う学校は偏差値で決まり、上位校出身でなければ一流企業に入社するチャンスも与えられないことすらあります。言うなれば、偏差値によって明確な格差があったわけです。

 ところがビジネス社会では、スタートラインに立った瞬間から一変します。

 なぜなら、日本の学校教育がビジネスに直結していないためです。言い換えれば、あなたが今まで学校で学んだことは、ビジネス社会では何の役にも立ちません。あえて言うならば、役に立つのは小学6年生までの算数と国語ぐらいでしょう。

「偏差値」や「学歴」といったものは、ビジネス社会では「メッキ」に過ぎません。いざ仕事が始まればすべて剥がされます。したがってビジネス社会で成功を摑むチャンスは、誰にでも平等にあると断言できるのです。

 ではどのような努力をすれば、ビジネス社会で成功することができるのでしょうか?

 端的に言ってしまえば、「ビジネスの基本動作」という良い習慣を早期に身につけることです。