書籍『あなたのビジネスライフは入社3年で決まる』の著者であり、上場企業の3分の1以上を顧客に持つWeb業界のリーディングカンパニーを率いてきた井上氏は、「ビジネス社会のスタートラインは、みな同じ。長いビジネスライフで成功するか否かは、入社3年で決まる」と断言しています。はたしてその理由とは。さらに、ビジネスで成功するために必要なこととは?
一度染まると怖い「ビジネス習慣病」の正体
「三つ子の魂百まで」ということわざがあります。これは、3歳までに形成された人格は、100歳になっても変わらない、という意味として使われるものです。そして、それはビジネスライフにおいても、まったく同じだと、私は考えています。
すなわち、新社会人になってから3年の間に身につけた習慣や考え方は、一生消えることはない、ということです。私は経営者として多くのビジネスパーソンと接してきましたが、そのように断言できます。
決められた期日通りに仕事ができない人、整理整頓ができず机の上に書類が散乱している人、ミスをごまかそうとして上司に報告しない人――こういった人々のことを、あなたは人として信頼できますか?
しかし現実にはこのような人々は少なからず存在しております。さらに言えば、彼ら、彼女らはそれを「悪いこと」だと自覚していません。
なぜでしょうか?
それは「習慣」になってしまったからです。私はこのような悪い習慣を「生活習慣病」になぞらえて、「ビジネス習慣病」と呼んでおります。
「ビジネス習慣病」の怖いところは、知らず知らずのうちに身についてしまうことと、後から「悪いことだ」と気づいてもなかなか直せないところです。
「生活習慣病」も同じです。
揚げ物などのコレステロールが高いものばかりを食べ、運動をしなければ、高い確率で生活習慣病にかかってしまいます。しかし、生まれたばかりの赤ん坊が生活習慣病であるわけがないですよね。「悪い食生活」や「運動不足」といった習慣が、自覚とは関係なく、勝手に身についてしまった結果、病気になってしまうのです。
ですから、健康な体のうちから「栄養バランスの良い食生活」や「運動をする習慣」を身につけることが、生活習慣病を予防するためにはとても大切です。
ビジネスで言えば、「ビジネス習慣病」になってしまう前に、「悪い習慣」を徹底的に排除し、「良い習慣」を身につけなくてはなりません。それができるのは、まだ何の習慣も身についていない、新社会人のうちだけなのです。