「大きな仕事を任される人」のたった1つの心がけPhoto:PIXTA

仕事を早く覚えて、大きな仕事を任されたい! でも現実的には、なかなか仕事が覚えられずに、いつまで経っても雑用ばかり……そう、もどかしい思いをしている若者は多いでしょう。書籍『あなたのビジネスライフは入社3年で決まる』の著者で、長年Web業界を牽引してきた経営者でもある井上氏が語る、「仕事の覚え方」と「大きな仕事を任される人の特徴」とは?

仕事は頭で覚えるな

 あなたは中学、高校の授業内容を今でも鮮明に覚えていますか?

 期末テストが終わったとたんに頭の中から綺麗さっぱり消えてしまった、という人がほとんどでしょう。つい数ヶ月前に受講した大学の講義ですら、その内容を覚えている人は少ないと思います。

 会社の研修も何ら変わりません。試しに同じ部署の先輩に、「新入社員研修で習ったことを覚えていますか?」と聞いてみてください。「まったく覚えていない」という回答が返ってくるはずです。

 それは両方とも「座学」でおこなっているからと言えます。残念ながら、「座学」で教わったことは、たった数日のうちに忘れてしまうのが現実なのです。

 その一方で、図工、楽器の演奏、調理実習、理科の実験、プログラミングなど、実際に手を動かした授業は、記憶の片隅に残っている人が多いのではないでしょうか。
 
 すなわち座学ではなく、実践で学んだことの方が記憶に残りやすいものなのです。このことは、アメリカの国立訓練研究所が、学習方法ごとにその内容の保持率を表した、「ラーニング・ピラミッド」という学習モデルで明らかにしております。

■ラーニング・ピラミッド
・座学で学ぶ  5%
・本を読んで学ぶ  10%
・動画で学ぶ  20%
・実際に誰かがやっているのを目の前で見る  30%
・学んだことに対してグループディスカッションする  50%
・学んだことを実践してみる  75%
・学んだことを誰かに教える  90%

 仕事に置き換えれば、座学の研修で教わった内容を、実際の業務で実践することでようやく覚えられる、と考えて間違いありません。つまり、仕事は頭ではなく、体で覚えるものだ、ということです。