現代は既存のビジネススキルがにわかに陳腐化し、すぐに新たなスキル習得を求められる大激変期です。学び直しがブームとなる中、独学する力はもはや必須スキルになったといえます。特集『仕事に効く!独学バイブル』では『知的戦闘力を高める 独学の技法』と『新・独学術 外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』という2冊の独学本を紹介します。#6はビジネスにおいて大きな力を発揮する「要約力」の独学術。仕事にも効く!独学するビジネスパーソンにとってのバイブルになること請け合いです。(ダイヤモンド編集部編集長 山口圭介)
“できる大人”に共通する
複雑な事象を端的に要約する力
社長、エコノミスト、政治家、軍人、宗教家、ヤクザ――。記者という職業柄、これまでに種々雑多な人たちと出会い、言葉を交わしてきました。その中には、後に総理大臣に上り詰めた人もいれば、暴力団抗争の渦中で銃撃された人もいたりと、凡人にはうかがい知れない修羅の道を歩む人が多数いましたが、「この人優秀だな」と感じさせる人は決まって物事を要約することに秀でていました。
複雑な事象を「つまり、こういうことですね」と端的な表現で読み解いてみせ、話し相手を瞬時に魅了し、取り込むのです。
この「要約力」という能力は、ビジネスにおいても大きな力を発揮します。『新・独学術 外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』の中で、著者の侍留啓介氏はこう指摘しています。
「口がよく回ったり話が面白かったりすることと、ビジネスの場面でプレゼンや発言がうまいこととは全く別のスキルです。普段『しゃべりがうまい』と言われる人でも、ビジネスの場面では評価が低い人はよくいます。一方、普段のしゃべりはいまいちでも、司会やプレゼンの能力は抜群という人がたくさんいます。この差はどこで生まれるのか?それは言いたいことをストレートに言える『要約力』に鍵があります」
侍留氏によれば、「要約力の低い人」はボトムアップ型(事実の羅列)となっているのに対し、「要約力の高い人」は、最初に結論を述べるそうです。
「要約された話は、そこをたたき台にして、さらに議論を深めることができます。ポイントが明確だから、そこから議論を展開しやすい」と侍留氏。
『新・独学術 外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』の本文では、要約力の具体的な鍛え方を解説しています。加えて、ビジネスパーソンに必須の経済思想や心理学、宗教といった教養を効率よく網羅的に身に付ける方法なども紹介しています。
『新・独学術 外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』の第2章はこちら