現代は既存のビジネススキルがにわかに陳腐化し、すぐに新たなスキル習得を求められる大激変期です。学び直しがブームとなる中、独学する力はもはや必須スキルになったといえます。特集『仕事に効く!独学バイブル』では『知的戦闘力を高める 独学の技法』『新・独学術 外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』という2冊の独学本を紹介します。#1は知らないと大損する「四つの独学技法」。仕事にも効く!独学するビジネスパーソンにとってのバイブルになること請け合いです。(ダイヤモンド編集部編集長 山口圭介)

元外資コンサルが独学「4つの技法」を指南!知らないと大損する(1)戦略(2)インプット…

転職や役職が変わるたびに
求められるスキルセットの転換

 転職したり、役職が変わるたびに求められる知見やスキルセットは大きく変化し、ビジネススキルの大幅なアップデートが求められます。

 私自身の経験でも、新聞記者から雑誌記者に転じた際、記者から副編集長になった際、そして副編集長から編集長になった際と大きく3回、自らのスキルセットの転換を迫られました。

 新聞記者時代は極論すれば、特ダネが全ての世界。一方で雑誌記者の場合、出版社には新聞社のような自前の宅配システムがないので、自らで読者に届けるための執筆の工夫が必須です。「読ませる技術」を身に付けるまでに2、3年かかりました。

 副編集長になると、現場取材を取り仕切りつつ、雑誌の特集全体をパッケージする、より俯瞰的な編集能力が求められます。編集長になるとさらに、他部署との連携役としてDXやマーケティングの知見を一気にアップデートしつつ、ジャーナリズムとマネタイズの両立を意識する必要が出てきました。

 そのたびに痛感したのが、効率よく独学するスキルの重要性でした。

『知的戦闘力を高める 独学の技法』の著者で、独学で外資系コンサルタントとして活躍した山口周氏は「独学をシステムとして捉える」ことが重要と説きます。

 独学というのは大きく、「戦略」「インプット」「抽象化・構造化」「ストック」という四つのモジュールからなるシステムだという山口氏。世に独学本は数多ありますが、大半はこの「独学システム」における「インプット」の項目しか扱っていないというのです。

 しかし、どれほど大量に「インプット」しても、それを「抽象化・構造化」してビジネスへの示唆を抽出できなければ、単なる「物知り」に終わってしまいます。

 さらに言えば、仮に「抽象化・構造化」ができたとしても、その内容が高い歩留まりでストックされ、状況次第で自在に引き出して活用することができないようなら、やはり「知的戦闘力の向上」は果たせない。つまり独学としては成立しないというわけです。

『知的戦闘力を高める 独学の技法』の本文では、独学システムの四つのモジュールをそれぞれ具体的に解説するとともに、ビジネスパーソンとしての知的戦闘力をいかに効率的に上げていくか、その秘訣を伝授します。

『知的戦闘力を高める 独学の技法』の序章はこちら

元外資コンサルが独学「4つの技法」を指南!知らないと大損する(1)戦略(2)インプット…

はじめに/目次 P.1~P.30

序章 知的戦闘力をどう上げるか? P.31~P.58

第1章 戦う武器をどう集めるか? P.59~P.84

第2章 生産性の高いインプットの技法 P.85~P.156

第3章 知識を使える武器に変える P.157~P.176

第4章 創造性を高める知的生産システム P.177~P.224

第5章 なぜ教養が「知の武器」になるのか?/おわりにかえて P.225~