誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』から生まれた小説『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の短編集は、アナタの心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれるYouTube「精神科医Tomyの人生クリニック」“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】幸せすぎると落ち着かない人への“とっておきのアドバイス”

自分の幸せに不安を感じる人

幸せだったり心が満たされたりすると、逆に不安や恐怖心にかられてしまう人がいます。ほかの人より優位だったり優遇されたりすると、なぜか危機感を感じてしまう。なぜ幸せに恐怖心を抱いてしまうのでしょうか?

それは、物事がうまくいっていると、幸せな状態が失われることを考えてしまうからでしょう。だから、幸せになったり褒められたりすることを避けようとする心理が働くのです。

これは、どこかボクシングのチャンピオンに似ているかもしれません。チャンピオンを夢見て頑張ってきたはずなのに、いざチャンピオンになると、今度はその座を「防衛」しなければなりません。「攻め」から「守り」に変わり、王座を失ってしまう不安と戦わなければいけなくなるのですね。

「頑張りすぎない」ことも1つの手

では、そういう人がどうすればいいかというと、いまの幸せを満喫しつつ、それを失ったら、それはそれでいいじゃないかと割り切るしかありません。褒められることも幸せになることも、それにチャンピオンになることも、なかなかできることではないのですから、まずはそのラッキーを存分に味わう。楽しまないともったいないです。

永遠に続くものではないのですから、ある意味、ポジティブな諦めの心を携えておくのです。というのが、1つのアドバイスなのですが、それができないから困っているわけで、なかなか解決できない人もいます。ならば、どうしたらいいのか?

完璧になると不安になるのであれば、完璧を得ない一歩手前の状態をキープすることによって心を安定させる、というのも1つの方法です。1番をとるように頑張りすぎない。完全に満たされる一歩手前で、リラックスして頑張るというイメージです。

“褒められて当たり前”から
一歩踏み出してみる

自分がやったことのないことにチャレンジするのもいいでしょう。仕事でも、手を出したことのないジャンルに挑む。そうなると、できなくて当たり前です。それに、できなくて当たり前のことが、少しでもできると評価されるのであれば、嬉しいと感じる人もいると思います。

同じようなことを長くやっていると、できて当たり前と思われがちで、褒められると怖くなるのかもしれません。そういうこれまで積み重ねがあることは残しつつも、それとは別にまったく知らない環境やまだなにもできないことにチャレンジするのも、1つの方法だと思います。

本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。