誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』から生まれた小説『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の短編集は、アナタの心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。YouTube「精神科医Tomyの人生クリニック」の“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
人生の価値とは?
自分が生きている価値があるかどうかを悩む人がいます。自分の価値とか自分の人生の価値とか、そういうこと考えてしまうと、辛くなってくるものです。
人生というのは「生きる」。ただ、それだけのことなんですね。生まれたから生きて、いずれは必ず死ぬ。この生まれてから死ぬまでの間が、生きるということ。それ以上でも、それ以下でもありません。そこに価値があるかないかを、考えること自体に価値がないと思うんです。
生きているというのは、自分に与えられた時間そのもの。そこに評価は一切いらない。楽しいな、気持ちいいな、素敵だな、幸せだな。そんなふうに思える時間をなるべく増やしてあげられれば、それでいいんです。
わずか一瞬、
生きる権利を得ただけ
生きている以上、幸せを感じれば不幸も感じるし、楽しさを感じれば苦しさも感じます。いずれにしても、生きるということは「自分の時間」そのものであり、それがすべて。価値があるとかないとかは関係ないんです。
他人と比べて、自分の人生に価値があるとかないとか考えるのも無意味です。どうせなら、幸せとか楽しみとか、そういう方向性に向かて頭を働かせたほうがいいのです。しいていうなら、生きる価値は誰にでもあります。生きている時間そのものに価値があるからです。
数百万年もの人類の歴史からすれば、たかだか100年くらいの人生は一瞬ともいえます。わずか一瞬の間、生きる権利を得たと考えれば、その間にできるだけ楽しいことをしておきたいと思うはず。それが生きるコツともいえます。
「生きる」とは旅行のようなもの
人生は旅行に似ているかもしれません。旅行に出かけたら、いずれ帰ってくる。生まれたら、いずれ死ぬ。せっかく旅行するなら、楽しまないともったいないですよね。旅行に価値があるかどうかなんて、ふつうは考えません。
楽しく旅行ができたら、それでいいじゃないですか。楽しみ方は人それぞれですから、ひたすらボーッとしてもいいし、いろんなところを一生懸命駆け巡って、できるだけたくさんの経験をするのもいいでしょう。
自分のしたいように、自分の旅行をすればいい。このように人生の本質を捉えれば、余計なことを考えずに済むようになります。
本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。