誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』から生まれた小説『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の短編集は、アナタの心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
嫉妬心は自分を不幸にする
誰かが仕事で成功したり結婚したりして幸せになり、自分はその幸せを得られないとき、アナタならどう思うでしょうか?「本当におめでとう! 私も頑張って幸せをつかむからね」なんてわが事のように祝福できるでしょうか。人は素直な感情として、嫉妬心を抱きやすい側面があります。
私も頑張っているのに、なんでこの人ばかり幸せなのか……そんなふうにちょっと嫌味をいって妬んだりして、モヤモヤする人が多いと思います。でも、そうしてしまうと、さらに自分の幸せが遠のいてしまいがちなんです。
相手に嫉妬心を抱くこと自体、そもそも幸せなことではありません。自分の心のなかにネガティブな感情がヘドロのようにたまってしまいますから、これは自分で自分を不幸せにしようとしているのと一緒です。
他人を祝うと心が平穏になる
そんなことになるのであれば、とりあえず自分との比較は脇に置いてみましょう。逆に「おめでとう!」と、とことん他人の幸せを祝福するように、心を入れ替えてみることです。ポジティブに行動すると、おのずと気持ちもポジティブに切り替わってきます。
それは100%の本音ではないとしても、多少なりとも祝福したい気持ちはあるはず。その部分を活かして、賛辞をおくるのです。いずれにしても、誰かに嫉妬心を抱いたら、逆に祝福してみてください。それが自分のためでもあるのです。
他人を祝った時点で、自分の心のなかに幸せをつくっているようなもの。他人を祝う気持ちになると、自分の気持ちが平穏になります。そういうことをくり返していると、自分が幸せになったとき、まわりも祝ってくれて嬉しくなるわけです。
“嫉妬の輪”はいずれ崩壊する
嫉妬心というネガティブな感情が芽生えたとしても、とりあえず素通りして、賛辞をおくったりお祝いをしたりして行動に移してみてください。そうすると、相手にも「この人も幸せになってほしい」という気持ちが湧いてくるはず。幸せの多い人のところには、幸せな人が集まってきやすいですから、積極的に幸せの輪に参加してみるのです。
逆にネガティブなことを口にしたりすると、一緒に悪口をいったりして同調する人はいたとしても、いずれ心が離れてしまいます。気づくとまわりには誰もいなくなって、孤独になりかねません。でも、それは自分でつくり出してしまった悲しい状況でもあるのです。
お祝いしたくなる人になる
嫉妬心は自然な感情ですから、そのこと自体をネガティブにとらえる必要はありません。その感情は脇に置いて、とりあえずいいことがあったんだから、「お祝いをしよう」というふうに心を切り替えることが大切。そして、その意識に集中すると嫉妬心は薄まります。
人を祝うことで、間接的に自分が幸せになるということを体感してみてください。それは「他人がお祝いしてあげたくなる人になる」ということを意味するのです。
本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。