どのタイプのインターンシップを、いつ実施するか

 今回の“インターンシップ改革”ではタイプ3の「汎用的能力・専門活用型」が注目されがちだが、採用活動をトータルにみた場合、企業がタイプ3ばかりに注力することはできないだろう。なぜなら、タイプ3での受け入れ人数は組織のキャパシティからそれほど増やせないからだ。大手企業では、インターンシップの参加人数は採用予定数よりも少ないのが一般的であり、優秀な学生であってもインターンシップの選考で落とさざるを得ないケースもある。そうした学生が自社への興味を失い、本採用に応募してくれなくなるのは本末転倒だ。

福重 人事部門としては、インターンシップに応募してくれたものの、人数との兼ね合いから落とさざるを得なかった学生にも、選考に応募してもらわなければなりません。そのためにはインターンシップの選考後、落とした学生を何らかのかたちでフォローすることが必要となります。学生の心理としては、興味のある企業だからインターンシップに応募したわけですし、たとえ、インターンシップの選考から落ちても、個別に声をかけてもらえば、入社へのモチベーションは上がるはずです。ただ、フォローするには何らかの材料が必要でしょう。インターンシップの選考段階で、そのための材料を集めておくことをお勧めします。

 一方で、タイプ3のインターンシップに参加した学生の全員を採用できるかというと、そこにもハードルがあります。たとえば、大学3年の夏にタイプ3のインターンシップに参加し、そこで企業からのお墨付きを得たような学生は、その後、さらに志望度の高い企業への就職活動を行う可能性が高いです。

「A社からお墨付きを得たのだから、次はもっと上の存在であるB社を……」という欲が出てくるからです。その姿勢を引き留めるのは難しく、タイプ3のインターンシップを大学3年の秋・冬に実施し、自社との関係がホットな状態で、3月のES(エントリーシート)を提出してもらい、早期選考につなげるのがよいかもしれません。

25卒採用“インターンシップ改革”で、人事担当者が知っておきたいこと

 ここで、もう一度、新卒採用の年間スケジュールを確認しておこう。福重さんによると、3年生を対象にした夏のインターンシップと秋・冬のインターンシップのプログラムが学生の心理を左右する2つの山場だという。

福重 大学3年での夏のインターンシップを経て、9月末くらいまでに、それぞれの学生のなかで、「とりあえず、この業種・この企業」という第一志望群ができます。これを私は「軸企業」と呼んでいます。業種については3つから4つくらい、企業では各業種4~5社といった感じでしょうか。企業側としては、まず、どれだけ多くの学生の「軸企業」に入るかどうかが第一関門です。

 次に、秋・冬のインターンシップが終わって3月の本選考が始まる前には、「どの企業にES(エントリーシート)を提出するか」という応募意思が固まります。この段階で学生に応募してもらわなければ、応募企業からNG連絡が届かない限り、新たな検討対象には乗らなくなります。さらに、大学4年に進級した4月頃から良い結果が出始めると、学生の活動量は明確に低下します。これを「活動ブレーキ」と私は呼んでいます。こうした学生の心理状態の流れを踏まえると、あまりにも早い段階で内定(内々定)を出すことはリスクがあります。むしろ、他社に心変わりされる可能性が高まるでしょう。

 大切なことは、3月の本選考開始の段階で、学生の志望企業群のなかで上位にいることです。そこから、面接、内定(内々定)へというプロセスを進めれば、採用枠の確保は比較的スムーズにいくと思います。