トヨタ電撃社長交代に「3つのサプライズ」、新政権課題は“豊田家への大政奉還”と“EVの落とし前”突如として明らかになった電撃人事には「三つのサプライズ」が隠されていた(東京オートサロンに出席する豊田章男社長兼最高経営責任者(CEO)と佐藤恒治・執行役員) Photo:Jun Sato/gettyimages

トヨタ自動車が4月1日からの新経営体制を発表した。豊田章男氏に代わって社長兼最高経営責任者(CEO)として選ばれたのは、レクサスブランドのチーフエンジニアを務めた佐藤恒治氏だった。突如として明らかになった電撃人事には「三つのサプライズ」が隠されていた。また今回のトップ人事により、豊田家の御曹司へのバトンタッチが濃厚になったといえる理由についても明らかにする。(ダイヤモンド編集部副編集長 浅島亮子)

14年ぶりのトヨタ社長交代
「隠されたメッセージ」とは?

 1月26日、衝撃的なニュースが飛び込んできた。4月からスタートするトヨタ自動車の新経営体制が発表されたのだ。

 トップ人事の中身はこうだ。豊田章男・社長兼最高経営責任者(CEO)が代表権のある会長となり、佐藤恒治・執行役員が社長兼CEOへ昇格。一方、トヨタが誇るハイブリッド車(HV)「プリウス」の生みの親である内山田竹志会長は退任する。

 14年ぶりの社長交代は、自動車業界の関係者からは“サプライズ”として受けとめられている。具体的には三つの視点において驚きがあった。

 次ページでは、「三つのサプライズ」について解説し、章男氏の子息である豊田大輔氏への“大政奉還”が濃厚になった理由を明らかにする。また、今回のトップ人事のメッセージに隠された「電気自動車(EV)」に臨むトヨタの姿勢についても取り上げる。