ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は21日、米ロ間の核競争を制限する最後の主要な協定である「新戦略兵器削減条約(新START)」の履行を停止すると表明した。また、西側諸国との外交の溝が深まる中、ウクライナへの軍事侵攻を継続する意向を示した。プーチン氏は21日の「年次教書演説」で、「特別軍事作戦」と呼ぶウクライナ侵攻を西側が誘発したとあらためて非難した。ジョー・バイデン米大統領は前日にウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問し、同国への支援継続を表明した。米国務省は先月の議会報告書で、ロシアが施設の査察を拒み、順守を巡る懸念についての米国の協議要請を退けたため、長距離核兵器の削減を目指す新STARTに違反したと結論付けた。2011年に発効した同協定にロシアが違反したと米国が非難したのは初めて。ウクライナでの戦争を巡り米ロ間の緊張が高まっている。