日本の投資家による米国債への需要持ち直しが今年に入り、不安定な米国債相場を支えてきた。だが市場では足元、買い一巡への懸念が高まっている。日本の財務省のデータによると、2月17日終了週に日本の銀行や生命保険、年金などの機関投資家は外債を210億ドル(約2兆8500億円)買い越し、新型コロナウイルス流行初期以来の高水準を記録した。ところが、その翌週には一転して、買越額が16億ドルに急減した。昨年は、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げがドル高・円安を招き、日本の投資家が米国資産を購入する際の為替変動ヘッジコストが跳ね上がった。そのため、日本の投資家の間では米国債を圧縮する動きが加速。日本が世界最大の米国債保有者になっていた従来の流れが一転した。足元では、米国債利回りが十数年ぶりの高水準をうかがう展開となっており、日本の投資家による売りが再開するとの懸念が強まっている。