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モニター位置で腰痛に
「座る姿勢は、腰にかなりの負荷をかけます」
姿勢と椎間板の内圧(腰の負担)の関係を示した表を見せてくれたのは、青山一丁目カイロプラクティック院院長の山口博さん。立った姿勢の椎間板内圧を100%とすると、座った姿勢は140%。座って前傾は185%にもなるという。
「骨盤は楕円形で、骨盤の下に股関節があります。腰掛けると脚が骨盤の下方を前に引っ張り、骨盤の上方は後ろへ倒れ、腰の筋肉に負荷がかかるのです」
腰痛を招く典型的なパターンは「ソファの背にだらんと寄りかかる」「高枕で足元のテレビを見たり、読書をしたり、寝る」「あぐらをかく」「横座り」「仕事用のモニターの位置、机や椅子の高さが合わず、背筋が丸まる」──。長時間続くほど、腰痛を引き起こしやすくなる。言い換えれば、できるだけ避けることが腰痛対策になる。
「デスクワークが中心の人は特に、椅子に腰掛けた時の工夫やモニターの位置の調整を行ってください」(山口さん)
座っている間、骨盤(腰)が立った状態を維持し、その上にS字カーブの背骨がのるのが理想だが、無理矢理力を入れて骨盤を起立するようにしていると、関節や血流が締め付けられ、こりや痛みがひどくなりかねない。
「ストンと体の力を抜いても極端に骨盤が下がらず、腰や背中が丸まらないようにする。そのために、腰・骨盤と背もたれとの間にクッションを挟むといい」(同)
ふわふわしたクッションでは腰が沈み込み丸まってしまうので、「硬め」を選ぶ。背もたれがない椅子は、バスタオルを折り曲げてお尻の下に入れる。
「お尻の後方寄りの方が楽だと思いますが、自分のベストの位置は人によって異なります。場所をいろいろ試して調整してください」(同)
パソコンのモニターの理想的な位置は、無理なく背筋を伸ばして座った状態で、目線がモニターの真ん中あたりにくる高さ。キーボードは、腕をだらりと下げて肘を曲げたところに。
「モニターの位置が高くなっただけで、体が楽になったというケースがあります」(同)