「研修ニーズ分析」シートの記入からスタート!
『研修開発ラボ』は、2014年からスタートしたが、コロナ禍の2020年からはフルオンラインでの開催に移行。昨年度(2022年度)は、全5回、定員15名の講座として開催された。
企画・運営を担当する広瀬一輝さん(ダイヤモンド社・HRソリューション事業室)は、「以前はテーマ別に受講者を募っていたものを、コロナ禍のフルオンライン化に伴って、全5回にわたる一気通貫のカリキュラムにしました。各回は半日ずつと短くなりましたが、インターバル期間の事前・事後課題の活用などで、これまで以上に充実した学びになっていると思います」と語る。
講座は、第1回「企画編」で、参加者の課題に合わせた研修企画の立案を行い、第2回「転移編」では、実際の仕事で研修の内容を生かすための方法を考える。第3回「設計編(1)」では、具体的な研修プログラムを設計し、第4回の「設計編(2)」で、企画した研修を参加者自らが発表し、中原教授と講師陣、参加者同士でフィードバックを行うかたちだ。今回、私は、全5回のうち、この第1回から第4回の講座を見学取材した。
『研修開発ラボ』の参加者は、第1回の開催前に事前動画を視聴することになっていた。「そもそも、研修とは何か?を考え、いま解決しようとしている問題が研修で解決できるかどうかを見極めることが必要」という解説が動画の冒頭にあった。人材育成の課題すべてが研修で解決できるとは限らないわけで、この示唆はとても重要だと、私は思った。
『研修開発ラボ』が定義する「研修で解決できる問題」とは、「受講者の『行動変化』と、その継続によって解決できる問題」だ。そのことを念頭に置いて、『研修開発ラボ』の参加者は、「研修ニーズ分析」シートに、人や組織の理想と現状、そのギャップ(問題)を生じさせている原因、それに対する解決策や研修ゴールなどを受講前に記入した。「入り口(研修の対象者の分析)と出口(研修のゴール)をはっきりさせることが大切」といった動画のアドバイスで、頭の中で漠然としていた研修企画のイメージがクリアになり、「研修ニーズ分析」シートが、研修の企画・設計における羅針盤になることが分かった。