参加者のグループワークが盛んに行われていく

 2022年10月18日、『研修開発ラボ』の第1回「企画編」がオンラインで開催された。2022年度の参加者は定員どおりの15名(9社)。この日は、そのうち13名が参加した。オープニングでは、講師の島村さんと関根さんがにこやかに自己紹介し、改めて、「『研修開発ラボ』の内容と進め方」について説明。『研修開発ラボ』で大切にしていることとして、書籍『研修開発入門』にも記述のある「研修前(企画・設計)40%、研修中(実施)20%、研修後(評価)40%」という定義が紹介された。研修を成功させるためには、「(研修)中」よりも「(研修)前」と「(研修)後」――つまり、事前のプログラム設計や上司や職場メンバーの巻き込み、また、研修後にきちんと現場での転移を促すことがポイントになるという。そして、今回の「企画編」のゴールを確認し、参加者の自己紹介タイムに入った。「『研修開発ラボ』に期待すること」として、「研修を我流でつくっているので、基本から学びたい」「前例を踏襲することから脱却したい」といったコメントがチャットに書き込まれ、参加者全員がオープニングからとても意欲的だった。

 最初のテーマは、「研修ニーズ分析の共有」。まず、研修を企画することの苦労と工夫について、参加者それぞれが考え、オンライン上でペアになって共有し、チャットに書き込んでいく。「研修受講者が問題意識を持っていない」「研修受講者となる従業員のニーズがバラバラ」など、さまざまな悩みが挙がった。「たとえ、ニーズがバラバラでも、共通のものもあるはず。研修受講者が何を望んでいるかを正確に知る必要があります」と、講師が伝える。

 2つ目のテーマ「事前課題の共有」は、「研修ニーズ分析」シートを使ってのグループワークだった。シートの左半分に書かれている「(人や組織の)目標」と「現状」、そして、その差を生じさせている「原因」について、参加者1名あたり8分間の持ち時間でプレゼンを行い、ペア相手からの質問や客観的なアドバイスを受けた。

 3つ目のテーマは、「研修を企画する上での大切なポイント」。今度はシートの右側部分をグループで共有。右側部分の項目は、「研修ニーズ」「解決策」「研修ゴール」だ。事前動画で学習したように、“研修対象者の分析(入り口)→研修のゴール(出口)”という流れで意識することが大切とのこと。講師が語った「ポイント」で印象的だったのは、「同じ船に乗ってもらう」というもの。研修は、経営陣や利害関係のある人たちも巻き込むことが大切で、研修の内容だけではなく、研修を行うための環境も研修の成否を左右するのだと私は思った。