2024年入試対応!わが子が伸びる中高一貫校&塾&小学校#4Photo:PIXTA

受験者数がコロナ禍で急増した前年を上回るなど、6歳児たちの「11月の勝者」を目指す戦いが激化。パワーカップル家庭の参入もあり、最難関の早慶付属に加えて、農大稲花など「新難関校」も倍率は10倍以上の激戦となっている。特集『わが子が伸びる中高一貫校&塾&小学校』(全29回)の#4では、関西圏も含めて加熱する小学校受験の最前線を取材した。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)

都心部の小学校受験の盛り上がりが
埼玉や神奈川など首都圏全域に拡大

「自分の受験どころか、人生で一番緊張した」「短期間に天国と地獄を経験」――。これらは小学校受験の合格発表が終わった直後の家庭のコメントだが、偽らざる本音だろう。

 東京の私立小学校は毎年11月上旬に入試を実施するが、その戦いは年々激化している。教育図書21が行った首都圏の私立小学校60校への調査によると、2023年度入学の応募者は過去5年で最多の2万3033人(併願を含む)。23年度は前年比2.1%増だったが、コロナ禍の3年で見ると応募者数は20%近く急伸した。

 関係者が指摘するのは、私立小学校の教育環境に魅力を感じる保護者が増えていることだ。ICT(情報通信技術)化や英語はもちろん、近年注目されている探究学習を積極的に取り入れている私立小も目立つ。

 理英会の宮内仁志部長は「コロナ禍で私立小の取り組みが脚光を浴び、それが定着した」と指摘する。少子化は進むが、24年度以降も今年度と同レベルかそれ以上に加熱する可能性は十分にあるだろう。

 1都3県に分けてコロナ禍前の19年度と比較した応募者数の推移を分析すると、23区が15%増なのに対して、埼玉県が50%増と大きく伸びている。この現象について教育図書21の新中義一代表は「東京都の小学校受験熱が近隣エリアにも波及してきている」と分析する。

 在宅勤務や働き方改革が進んだことで、従来なら中学受験を目指していた教育意識の高いパワーカップルの家庭も小学校受験に参入。加熱する「中受回避」を目的に小学校受験を選択する家庭も増えている。

 では、人気を集めた学校はどこだったのか。次ページでは大学付属小から、小中高一貫、中学受験に強い私立小まで首都圏主要39校の応募者数の推移を網羅したデータを大公開。具体的な学校の名前を挙げながら最新情報を紹介して、24年度入学の入試の行方を占う。

 さらに今年も「あの有名人の子どもが合格」と話題になった小学校受験の最難関、慶應義塾幼稚舎の「一般枠」についても専門家に直撃。関西エリアで倍率が上昇している小学校も含めて、特大ボリュームでお届けするので、小学校受験を目指す方はぜひチェックしてほしい。