2024年入試対応!わが子が伸びる中高一貫校&塾&小学校#22Photo:PIXTA

ここ数年の中学受験は、私立大学の定員厳格化によって大学付属校の人気が高まり、いわば付属校バブルといえる状態だった。ところが2023入試は一転して、付属校バブルがはじけたという声が関係者から漏れ聞こえる。特集『わが子が伸びる中高一貫校&塾&小学校』(全29回)の#22では、新生・付属校の躍進とともに付属校受験の未来に迫る。(ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)

大学付属校ブームは終焉の声も
志願者数爆増の“新星”とは?

 ここ数年、私立大学の入学定員厳格化の流れを受け、有名私大の難化が続いてきた。それに伴い、中学受験層がいち早く大学進学ルートを確保しようとして大学付属校に殺到、こちらも難化傾向にあった。

 その結果、早慶(早稲田大学、慶應義塾大学)を目指していた生徒がMARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)へと、安全策を選択せざるを得ない事態となっていたわけだ。

 MARCH狙いの学生もしかり。安全策を取り、日東駒専(日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学)へとシフトした。

 だが、「付属校ブームは少し落ち着きつつある」と、早稲田アカデミー取締役専務執行役員の伊藤誠氏は言う。

 その理由は、私大の定員厳格化が若干緩和されたことが大きい。有名私大に入りやすくなったことで、中学受験の段階で大学まで無理して決めなくてもいい、という考え方が広がってきたわけだ。

 実際、次ページ表の通り、付属校への志願者数は前年に比べて減少傾向にある。早慶についても同様の傾向となっているが、ならば入りやすくなったかといえば、そうとは言い切れない。

 その理由は何か。早慶はなぜ違うのかを解き明かすとともに、今年の付属校における注目の学校についても、次ページで明らかにしよう。