学力一本勝負の中学受験と異なり、小学校受験はペーパー、行動観察、運動、面接、願書など総合力が問われる。家庭だけでは対策が難しく、上手に塾を活用することが不可欠だ。特集『わが子が伸びる中高一貫校&塾&小学校』(全29回)の#18では、小学校受験の試験内容や「2023年度入試の3つの変化」を解説しながら、わが子を合格に導く正しい塾の活用法を解説する。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
小学校受験も通塾タイミングが早期化
願書や保護者面接も塾を徹底活用しよう
朝早起きしてのペーパーテスト学習、田植えなどの自然体験や公園でのボール投げ、梅雨時や猛暑の中での紺服着用の学校説明会、学校説明会の枠の争奪戦、1文字のミスも許されない手書き願書の清書ラッシュ、合否が発表される「ミライコンパス」サイト画面での一喜一憂……。
小学校受験は親子で挑む貴重な時間にもなるが、その道は決して平たんではない。本気で合格を目指すのであれば、小学校受験向けの塾の活用が不可欠だ。
本特集#4『「小学校受験」ブームは天井知らず、早慶附属や新難関校は倍率10倍超え!合否のポイントは?』では、首都圏と関西の2023年度入試動向の大分析を行った。ここでは、さらなる競争激化が確実視される24年度の入試に向けて、合格を勝ち取る具体的なノウハウを伝授する。
中学受験と異なり、小学校入試ではペーパーテスト以外にも行動観察や運動、絵画などさまざまな対策が必要になる。また、子どもだけでなく「家庭全体」が問われる。家庭の教育方針が最優先ではあるが、願書や保護者面接も塾のアドバイスを徹底活用すべきだろう。
実際に自ら子どもの小学校受験を経験して、現在は小学校受験の情報をネット上で発信している狼侍(SNSのハンドルネーム)氏は、「塾選びは、体験授業で家庭の教育方針や志望校の考査との相性を見極めることが大事」と助言する。
多くの塾では体験授業を実施している。「小学校受験は先生にコミットする部分もあるので、先生との相性も重要」(狼侍氏)であるため、まずは実際に指導方針や雰囲気を確認してみよう。
次ページでは、首都圏の塾別の主要小学校41校の最新合格者数を公開。また、塾選びのこつや親の心構え、試験の中身を紹介する。
小学校受験においても通塾タイミングが早期化しているが、「いつから」「何を」「どれだけ」やればいいのかについても専門家が本音で解説する。24年入試にも影響が大きい、23年度入試の「試験内容の3つの変化」など、準備にあたって勘違いしやすいポイントを具体的に挙げながらボリュームたっぷりで説明していくので、ぜひチェックしてほしい。