大学受験塾・予備校が公表する合格実績には各自で様々なカウント方法がある。そこで、特集『わが子にピッタリ!塾・予備校&家庭教師・オンライン教材選び』(全22回)の#3では、東京一工や早慶などの難関大に通う大学生280人にアンケートを行い、実際にどの塾・予備校が合格に役立ったのかを大調査した。【東大・京大編】【早慶編】【現役・浪人編】などに分けてランキングを掲載する。(ダイヤモンド編集部 塙 花梨)
難関大合格に本当に役立つ
塾・予備校はどこなのか?
まず、以下の表を見てほしい。主な塾・予備校の公式ホームページで公表されている2021年度大学入試の合格実績をまとめたものだ。
この表によれば、東京大学合格者の合計は5176人ということになる。しかし、実際に東大が発表している今年の東大合格者数は3086人で大きくずれる。しかも、表には一部の塾・予備校の数字しか掲載していないにもかかわらずである。
もちろん、東大合格者の中で複数の塾に通っており、重複してカウントされている人もいる。しかし、あまりにも、乖離が大き過ぎる。
その乖離の理由は、各塾・予備校が公表している合格実績のカウント方法がバラバラだからだ。
例えば、成績優秀な生徒を「特待生」として受け入れ、授業料を一部免除することで、合格者数を増やす取り組みをする塾・予備校が数多くある。また、夏期講習や冬期講習など短期間しか受講していない生徒でも、合格者としてカウントすることも多い。
一方で、東進ハイスクールは特待生制度を用意してはいるものの、最低1年以上の通塾、そして一定数以上の講座を受けている生徒でなければ合格実績にカウントしない。また、河合塾マナビスのように特待生制度を取り入れていないところもある。
要するに、一概に合格実績を比較して「この塾・予備校の実績が高い」と判断するのは難しいのである。
そこで、東京一工や早慶などの難関大学に通う大学生280人にアンケートを行い、「実際に合格に役立った塾・予備校はどこなのか」を調査した。アンケート回答者280人の属性は以下の通りである。これを見れば、各塾・予備校が発表する数字とは違った様相が見えてくる。
次のページからは、リアルに役に立った塾・予備校の調査結果はもちろん、難関大に合格した生徒の通塾頻度や毎月の塾・予備校代、通い始めたタイミングなども紹介していく。