「命の危険がある真菌」感染者が全米で急増…除去困難、触れただけで感染の脅威Photo:123RF

 ある真菌の感染が米国全土に広がりつつあるとして、米疾病対策センター(CDC)の研究グループが警鐘を鳴らしている。Candida auris(カンジダ・アウリス)と呼ばれるこの真菌はカンジダ属の新興菌種であり、感染すると生命が脅かされる可能性があるという。研究グループは、2013年にカンジダ・アウリスの初の感染者が報告されて以降、全米で急激に感染者が増加していることを、「Annals of Internal Medicine」3月21日号で報告した。

 論文の筆頭著者でCDC真菌感染症部門メディカルオフィサーのMeghan Lyman氏によると、カンジダ・アウリスは触れただけで簡単に感染する。また、一度感染すると除去することは難しく、何カ月間にもわたって生存し続けるという。この真菌は、健康な人には無害だが、何らかの疾患が原因で免疫機能が低下している人が感染すると、重篤で生命を脅かす感染症を引き起こす可能性がある。