この革命のすばらしい点は、経済成長すると二極化してしまっていたこれまでの歴史と異なり、社会全体のWell-Beingと生産性の向上が両立しているということです。

『ドラえもん』の原作は、未完のストーリーです。

 便宜上の「最終回」とされるものは、作者である藤子・F・不二雄先生が描いていたり、あるいはファンが二次創作として描いたりしたものなど、いくつか存在しています。それらを読んで興味深かったのは、ほとんどの人が「なんらかのきっかけを得て、のび太が飛躍していく姿」を描いていたことです。

 理由はどうあれ、「ドラえもんがいたせいで、のび太は最後までダメなままでした」とは描かない。飛躍のきっかけは、ドラえもんが壊れたり、別れを決意したり、あるいはドラえもんを自らの手で造ったりと、いろいろなストーリーがあります。いずれにしても、そこにはのび太くんのたしかな成長が見られます。

 まさにそれこそが、ぼくらが求める温かい未来であり、ぼくらにとって必要な希望なのでしょう。

 そして、ぼくも、未来がただそうあってほしいと願う1人なのです。