徳川家お抱え「江戸のCIA」が暗躍…“影の組織”の諜報力に驚愕江戸幕府草創期の大名廃絶政策に暗躍した剣術の一流派とは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「柳生十兵衛」といえば剣豪として知っている方も多いかと思いますが、その「柳生家」が江戸幕府において重要な役目を担っていたそう。そこで今回は『ウラから知ると面白い 「影の組織」のすごい日本史』(青春出版社)から江戸幕府における柳生家について抜粋して紹介します。

将軍職を世襲するための荒療治

 江戸幕府の草創期、豊臣系の勢力を一掃するため実に多くの大名家が幕府によって取り潰しに遭っている。

『歴史読本 2014年1月号 特集・江戸大名失敗の研究』(KADOKAWA)に収録された「江戸時代 廃絶(除封)・減封 大名一覧」によると、改易(かいえき)(所領や家禄・屋敷を没収すること)処分を受けた大名は、初代将軍徳川家康(在位2年)の代で110家と全将軍中、最も多い。これは「関ヶ原の戦い」の戦後処理という意味合いが強いため、数が多くなるのは仕方がないところだろう。

 さらに二代秀忠(同18年)の代で55家、三代家光(同28年)の代で53家と、三将軍合わせて218家にものぼる。この数字は江戸幕府260年間を通じて改易に遭った全大名(291家)のうちの実に約75パーセントを占めるものだった。