「子どもには、少しでも体によいものを食べさせたい!」ですよね。
でも、ごはんは毎日のこと。なるべくシンプルで簡単に済ませたいものです。
この連載では、『医師が教える 子どもの食事 50の基本』の著者で、赤坂ファミリークリニックの院長であり、東京大学医学部附属病院の小児科医でもある伊藤明子先生が、最新の医学データをもとに「子どもが食べるべきもの、避けるべきもの」をご紹介します。
本書の読者からは、
「子を持つ親として、食事の大切さがよくわかった」
「本を読む習慣がない私でも読みやすく、頭に入りやすかった」
「何度も読み返したい本!」

といった声がたくさん届いています。不確かなネット情報ではなく、医学データと膨大な臨床経験によってわかった本当に子どもの体と脳によい食事。毎日の食卓にすぐに取り入れられるヒントが満載です。
※食物アレルギーのある方は必ず医師に相談してください。

【小児科医が教える】子どもが「下痢」になったら、最優先で摂取させたい2つとはPhoto: Adobe Stock

下痢の原因はいくつかあります

 急性の下痢とは、やわらかい、あるいは水っぽい便が頻繁に排出される状態で、腹痛や食欲不振、吐き気・おう吐を伴うこともあります。そして、10日から2週間以内に治まる下痢を指します。
 原因は食中毒か、感染性胃腸炎であることが多いです。お通じの回数が1日に2回以下になって、おおむね元気であれば学校に行っても大丈夫です。

 また、抗生剤を服用すると「菌交代現象」といって、ある種の腸内細菌だけが増え、それによって下痢を起こすこともあります。医師から抗生剤を処方されたら、抗生剤から腸を守る整腸剤も一緒に処方してもらいましょう

摂るべきもの① 水分

 下痢になったら、とにかく脱水症状になるのを防ぎます。
・水
・麦茶
・薄めのスポーツドリンク
・経口補水液

 などを、こまめに飲ませてあげましょう。
 おなかがゴロゴロするから水分補給を嫌がる子もいますが、少量でもいいので、こまめに飲むことが大切です。
 また、ドラッグストアやコンビニなどで売っている、栄養素入りのゼリー飲料を少し口に含ませるのもよいでしょう。 

摂るべきもの② たんぱく質 

 食事は、消化によいシンプルなおかゆや素うどんだけでなく、栄養補給になる食材をプラスしてください。カラダが弱っているときほど、栄養が必要です。
 卵しらすなど、たんぱく質を中心に選び、苦しいときをたたかえるカラダを作ってあげましょう。かつお節すりごまも良いですね。

下痢と便秘を繰り返す場合は、
医師に相談しましょう

 下痢と便秘を繰り返していて、腹痛もしょっちゅうある状態が2週間以上続いている場合、医師に相談しましょう。何らかの心因性の要因があるかもしれません。
 ストレスなど心因性の下痢と便秘を繰り返すIBS(過敏性腸症候群)の場合、漢方と栄養・食事療法に、認知行動療法を併せることで、ゆっくり改善するケースが多いです。

下痢でお尻が痛くなったら

 下痢が続くと、お尻の皮膚が荒れて赤くなるのは赤ちゃんだけではありません。大きくなってからも起きるものです。
 基本は清潔にすること。お通じのたびに便座の温水洗浄でやさしく洗うとよいでしょう。
 外用薬は亜鉛華軟膏がよく効きます。医師に処方してもらうのがベストですが、薬局で市販薬を探す場合は「ポリベビー」などの名称で販売されていることもあります。

 このほかにも『医師が教える 子どもの食事 50の基本』では、子どもの脳と体に最高の食べ方、最悪の食べ方をわかりやすく紹介しています。

(本原稿は伊藤明子著『医師が教える 子どもの食事 50の基本』から一部抜粋・編集したものです)