採用活動は「人を育てる会社」になるチャンス
多くの企業のこれまでの採用のスタイルは、「選ぶ採用」「落とす採用」だった。しかし、これからの採用は「育てる採用」に変わっていく必要がある。「育てる採用」とは、学生とコミュニケーションを深め、価値観の共有を図り、自社への志望度を上げてもらうということだ。その入り口として、インターンシップ等でのフィードバックがあり、その良し悪しで、「育てる採用」ができるかどうかが決まると言っていいだろう。
福重 いまや、新卒採用は人事部だけで行うのではなく、全社を挙げて行う時代になっています。だからこそ、会社を代表するような優秀な社員にインターンシップ等や面接に参加してもらう必要があるのです。
フィードバックについて言えば、自社で働くことの魅力や特徴を自分で言語化できている社員が行わなければ効果が期待できません。学生側も、複数の企業からフィードバックを受けるうちに、「この企業は採用活動が本気ではないな」「この企業は、社員がしっかりしているな」と判別できるようになります。
ぜひ、人事部が中心となって、採用活動の組み立てやプロセス、特にインターンシップ等におけるフィードバックの仕組みを見直してみてください。その方法と姿勢は、新入社員研修や配属先の決定、さらには、定期的な面談や昇格の場面など、さまざまなところにも応用できるはずです。採用活動は、人材への投資、人的資本経営が注目されているいま、「人を育てる会社」になるための絶好のチャンスになるはずですから。