ジュンさん自身の危機管理としても悪手
まず、あの会見で、子どもたちを誹謗中傷から守れるのかというとかなり厳しい。多感な時期の子どもならば、母親の不倫だけでも大ショックなところに、父親が母の「前科」やメンタルの問題を暴露したのだから、傷口に塩を塗りつけられるようなものだろう。
また、SNSだけでなく、子どもたちは学校など身近な場面でもこれまで以上に好奇の目にさらされるかもしれない。親がこのゴシップを家庭で話題にすることで、子どもたちの世界でも知れ渡る可能性もある。子どもは残酷な部分もあるので、本人たちに心ない言葉をかけてくる子どももいるかもしれない。
仮にお子さんたちが、広末さんの過去のトラブルや異変を把握していたとしても、それを父親がメディアを介して全世界に公表するということは、まったく意味合いが違うのだ。
次に、「広末さんは最高の母」というジュンさんが最も世に伝えたい主張が、どうなったか見てみよう。今の報道を見てもわかるようにそういうイメージは定着していない。むしろ、「最高の母親」と真逆の方向の人格攻撃が激しくなっているようだ。
夫が「不倫の前科」と「心の不安定さ」を公の場で認定したことが、メディアの広末涼子バッシングに「お墨付き」を与えたような形なのだ。
このようにジュンさんは「子どもを守る」「広末さんは最高の母親だと言いたい」として会見を催したが、そこで「当事者たちが誰も得しない暴露」をしてしまったことで、事態をさらに悪化させてしまった、という厳しい現実がある。
もし筆者がジュンさんの会見コンサルをする立場ならば、この手の話題は絶対に会見の場で話してはいけないと釘を刺す。記者からしつこく聞かれても、このように回答していただくだろう。
「もちろん、夫婦ですからここまでいろいろなことはありましたが、その話題は控えさせてください。子どもたちを誹謗中傷から守るという目的で会見を開いているわけですので、何卒ご理解ください」
しかし、残念ながらジュンさんは、この手の話題を率先して話してしまった。これはご自身の危機管理としてもあまりよろしくない。
お子さんたちは「なんでわざわざあんな話までしたの?」と父に不信感を抱くかもしれない。多感な時期ならば、自分たちをダシにして、母に仕返ししたのではないかと勘繰るかもしれない。いずれにしても、あの「暴露」で父親としての株が上がるとは思えない。
また、妻・広末さんとの信頼関係はこれによって崩壊したはずだ。もともと広末さんは離婚を切り出していたところに加えて、ジュンさんが会見を開くことも知らされていなかったという。
広末さんからすれば、「別れたい相手」から、なんの断りもなく、自分の内面を勝手に全世界に公表されたのである。こんな勝手ことをやられて、「子どもと妻がいる家が一番幸せ」とか「もう一度やり直そう」なんて言われても、信用できるわけがあるまい。