ビッグモーターの二の舞も?「告発ドミノ」も誘発される
そして、重要なのが、(3)スシローが「異物混入」「食中毒」などを起こすと、これまで以上に厳しく叩かれるという点だ。
もし仮に少年との訴訟を継続して数百万円でも勝ち得たとしよう。株主も社会も「よくやった」と喝采をしたとしよう。
しかし、それだけ「人の罪」に対して厳しく罰を与えると当然、その厳しさは「自社」にも向けられる。「ペロペロ少年には厳しいけど、お前らはどうなのさ」と消費者の風当たりが強くなるのだ。
そんな時、異物混入や衛生管理上のトラブルでもあったら、「ペロペロ少年に責任を取らせたんだから、こっちも社長が辞任するとかきっちり責任取れよ」」なんて感じで、叩かれるはずだ。
そして、こういうバッシングの恐ろしい点は、「告発ドミノ」も誘発される点だ。
わかりやすいのは、ビッグモーターだ。保険金不正請求の問題が起きてから、業務連絡用のLINEや、内部のパワハラ体質がメディアで毎日のように報じられているのは、これまでパワハラを受けていた現役社員や元社員たちが、競い合うようにタレコミをしているからだ。「人を呪わば穴二つ」ではないが、他人を厳しく攻撃していた者は、「逆風」になった時にその攻撃は「ブーメラン」としてすべて自分に返ってくるものなのだ。
という話をすると、「ペロペロ少年に厳しく対応したからといって、スシローが叩かれるなんてお前の勝手な妄想だ!」と、これまたきついお叱りを受けるかもしれないが、実はこの危機管理における「ブーメラン現象」のモデルケースともいうべきものを、つい最近、我々は目にしている。
それは、女優・広末涼子さんと先日離婚を発表したキャンドル・ジュンさんの会見だ。