「仕事」と「余暇」を両立して
人生を充実させる

 たとえ仕事が面白いからと言っても、仕事に没頭しすぎて、常にオン状態で走り続けていると、心身の健康に支障をきたす可能性もあります。「4つのL」を意識しながら、仕事、家族や友人の存在、余暇、学び・自己成長でポートフォリオを組むつもりで、そのバランスを意識してみてください。わたし自身、仕事でうまくいかないときや、大切な決断をしなければならないときこそ、意識して「余暇」をとるようにしています。

「余暇」とは、その時間の長さ以上に、いかにオン状態から離れられるかに意味があります。「余暇」によって、心のエネルギーもチャージされると、頭が整理され、冷静に判断ができるようになり、仕事への活力もみなぎってくるものです。そしてまた仕事に励むことで、新たなエネルギーが生まれてきます。

「4つのL」のうち「仕事」と「余暇」という2つのLだけをとっても、エネルギーを循環させるために、どちらも欠かせない存在なのです。

 わき目も振らず仕事に没頭していると、知らず知らずのうちにストレスが溜まっていることも少なくありません。ストレスは「キラーストレス」とも呼ばれ、精神的健康にも、肉体的健康にも悪影響をもたらすことがわかっています。過度なストレスは、心身に悪影響を及ぼします。ただし、ポジティブ心理学では、ストレスが一概に悪なのではなく、十分な回復力を待たずして次のストレスがたまり続けることに問題があるとしています。

 筋トレにしても、少しずつ持続すれば筋肉が鍛えられますが、休む間もなく筋肉に過度の負荷をかけ続ければ、筋肉繊維がダメージを受け、慢性的な疲労状態に陥ったり、けがにつながったりしてしまいます。ストレスも適度であれば、むしろよい刺激になることがわかっています。適度なストレスはレジリエンスを鍛え、高める機会にもなるのです。

 蓄積したストレスによるダメージを回復させるのに効果的なのが、「余暇」の時間です。「余暇」という文字は「余った暇」と書くので、非生産的で無駄な時間と考える人もいるかもしれません。しかし、英語では「Leisure」となり、その語源はラテン語の「licere(リセレ)」の「許されている」「自由である」からきて、好きに自由にするという意味合いだそうです。