正解は、鮭、ツナマヨ、明太子、とり五目、昆布などです。

 つまり、このお店のおにぎりコーナーには、一番の売筋おにぎりが全然なかったのです。一方で、売筋でないおにぎりはたくさん売れ残っていて、それが廃棄ロスになっていました。もし下位アイテムのおにぎりの代わりに、ツナマヨや鮭、明太子、昆布などのおにぎりがあったら、もっと売れていたはずです。

売筋商品だけを揃えると、
売上はどうなるか?

 オーナーさんには、思い切って売筋の5アイテムに集約し、それを200個ずつ合計で1000個仕入れてみるように提案しましたが、バラエティがなくなってお客さんが困ると言って、取り合ってくれません。

 カウンセラーとして、ここであきらめては、お客様の満足度向上につながらないので、さらなる説得を試みました。このコンビニには、本部がチャレンジ予算のような費用を本部側で負担する日がありました。そのチャンスを捉えて再度お願いし、なんとか一度、こちらが提案するとおりに売筋5アイテムを200個ずつ仕入れてもらうことになりました。

 実際には、定番商品200個ずつに加え、オーナーさんの意向でそれ以外のバラエティ商品も200個ほど入れたので、合計で1200個も仕入れたのです。その日が終わってみると、どうなったでしょうか。

 仕入れた1200個がほぼ全部売れていたのです。

 それまでオーナーさんは20~30アイテムぐらいをちょっとずつ仕入れていて、そのやり方だと全部で800個ほどしか売れませんでした。それが売筋アイテムを増やしたら、それだけで1200個も売れたのです。

 お客さんには一人ひとり食べたいおにぎりがあって、それを買いたいと思って店に来てくださいます。そこでお目当てのおにぎりがなければ、あきらめてほかのおにぎりを買うのではなく、目当てのおにぎりを探しに別の店に行ってしまうのです。

 こちらのお店のオーナーさんは、おにぎりという商品をひとくくりに考え、品目の違いが目に入っていませんでした。結果として、定番商品の数をきちんと揃えられずに、機会損失をしていたのです。もっとお客様の立場・目線に立った品揃えを考える必要がありました。