このときの経験は、私たちに「お客様の多くは王道な商品、定番の商品を求めている」ことを教えてくれました。

 鮭、ツナマヨ、明太子、とり五目・昆布など、見てわかるとおり、どの食材も何も目新しくはない、おにぎりの定番です。だからこそ売れるのです。お客様は変化に慎重です。

 カウンセラーとしてほかの観光地の店を担当したときも、まったく同じ問題が起きていましたし、おにぎりだけでなくサンドイッチなどでも、基本商品が欠けていて販売数が伸びないことがありました。ハムとたまごとミックスサンドあたりの基本商品が欠品していると、カウンセラーは機会損失をしていると思うわけです。

 同じような問題はコンビニだけでなく、スーパーでもあります。スーパーは棚の面積こそ広いのですが、ラーメンひとつにしても、たくさんの種類の商品をみな同じ扱いで並べて売場をつくっています。

 ラーメン売場担当のバイヤーさんに一番売れるラーメンを聞くと、売筋を教えてくれますが、その商品をメインにして売っているわけではありません。売場での扱いは、そのほかの商品とほとんど変わりません。そこで、売筋商品を1段全部に並べて置いてみると、売上が増えることがよくあります。

 大切なのは、王道の商品、定番の商品の数をしっかり揃えること。この原則はスーパーでもコンビニでも関係ありません。多くの経験から、私たちはそう確信するようになりました。