幸せと深く関わる
「自己開示」とは

 さて、本稿では「自己開示」にかなりフォーカスを当てています。なぜなら、自己開示する人は幸せだからです。自己開示とは、自分の内面を他の人に対して開示すること。恥ずかしがらずに、自分の欠点や悩みや失敗談を人に話すことです。自己開示をすると、不思議なもので、他の人との距離が近くなります。

 他の人との距離が近いと、安心感を感じるので、幸せな気分になります。また、近いということはいろいろな助言をもらえるということでもあるので、成長のチャンスが増します。面白いもので、一人が自己開示すると、他の人も自己開示します。その結果、仲良くなります。

 人と接するのが苦手な人にとっては、自己開示はハードルが高いかもしれません。しかし、この青年のように、すこしずつ、自己開示の階段を登っていくコツをつかんでいただければと思います。

 人が幸せになるためにもう一つ大事なことは、「行動」することです。本を読むと知識は身につきますが、それだけでは人は変わりません。仏教で「心身一如」というように、心と体は一体です。心のほうだけに知識を蓄えても、行動は変わりません。

 行動とは、五感によって世界の情報をインプットするとともに、身体の筋肉を動かすことによって、しゃべったり、歩いたり、書いたり、というように世界に対して自分の有様をアウトプットすることです。このような、身体を通しての世界とのインタラクションなしには、人は本当の意味での成長ができないのです。

 なので、皆さんにも行動していただきたいと思います。そうすることによって、学びはあなたの心と身体に定着するでしょう。言い換えれば、幸福度が高まっていくでしょう。すべての人が、幸せについての知識を身につけて、幸せに生きる人生を送られることを、願ってやみません。