「もういい加減にして!」と
怒鳴っても伝わらない

 さあ、どうでしたか?シンプルに言えましたか?普段こんな場面があったら、次のように対応したりしませんか?

・もういい加減にして!ちゃんとしてよ!(あいまい)
・走らないで!(否定形)
・言うことを聞けないなら洗ってあげないよ!(脅す)
・なんでそんなことするの どうして走るの(質問風の攻撃)
・もし足を滑らせて頭を打ったらどうするの!?お風呂は危ないところなんだよ!湯船の中で転んだら溺れることもあるし、もしもママが見てなかったらあっという間に溺れるんだよ!家の中でお風呂は一番危ないところなんだからね!(長い説明)
・危ないってことがわからないんだね。毎回注意されて楽しい?(いやみ)
・危ないことをしたから、風呂上がりのアイスはなしね!(罰)
・※ここまでの内容を怒って大声で話す(どなる)

 さらさらっと書きましたが、「これを使ったらダメな親」なんてことではありません。こんな言葉を思わず使ってしまうのはしょうがないんだけど、がんばって使い続けても、親子ともにストレスがたまるばかりで、子どもには大して伝わらなくて、親もしんどくなるばかりなので、できれば避けたいですよね、っていうものです。

 ここからが大事なことなのですが、風呂場に走って入った太郎くんに「歩いて入ってね」と伝えたからといって、太郎くんが素直に言われたとおりの行動をすぐにできるかというと、そんなに甘いもんじゃないですよね。

 でも「何やってんの!?いい加減にしてよ!!」と対応するよりかはマシ。子どもに伝わる可能性はいくらか高くなります。

注意する際は
シンプルかつ明確に

 続いて、こんな場面を想像してみましょう。

 お風呂の話の続きです。ママとシャワーを浴びた太郎くんは、ママより先に浴槽に足を入れると、誰もいないお湯に向かってバッシャーンと前向きに倒れこんで入りました。

 ママは、太郎くんがいつかケガをしそうだと思い、太郎くんに注意するとします。では、お湯に浸かる際にバッシャーンをした太郎くんに、「代わりの行動を教える」を使って対応してみてください。