日本に来ている中国人は
どう考えているのか?

 処理水の放出が始まった翌日の8月25日、中国から来たビジネスツアーの参加者20人をアテンドする機会があったので、夜の会食の席で、処理水放出についての意見を聞いてみた。

「気にしていない!」とみんな口を揃えて答えた。一人の男性参加者は、「中国でみんなが憤慨している様子をSNSで見た。(日本へ行くことを知っている人から)『早く帰国して!』とまで言われた。しかし、日本にいると街の風景は普段通りで、日本人が慌てている様子もまったくない。逆に、日本の落ちついている様子を国内にいる人たちに見せたいと思う」と話した。

「日本は民主主義の国で、言論の自由もある。政府は民衆に嘘をつくことが難しいのではないだろうか。日本政府とIAEA(国際原子力機関)を信じる」と話す30代の男性もいた。

 また、ある20代の女性は、「日本はゴミの分類など、環境にやさしい取り組みをきちんとしている国なので、こんな国が無責任に汚染水を海に流すなんて考えられない。自分はデマを信じない」と言った。

 彼らはそんな話をしながら、刺し身や貝類など、まさに海の幸を口いっぱいにほおばって堪能している。それは、SNSで流れている中国人の言動とまったく対照的な光景であった。

 国外にいる中国人のコミュニティーでは、最近、次のような書き込みが流行っている。

「貧乏人は、日本をののしり、抗議する。食塩を買いだめ、海鮮を食べないようにする。金持ちは移民するために国内の財産の処理に没頭する。日本に行き、海鮮料理に舌鼓を打つ。さて、あなたはどっちだ?」

【訂正】誤解を招く恐れがあるため、記事初出時よりタイトルを以下の通り訂正しました。
・中国で「汚染水で海水が2色に」がトレンドに…処理水問題で中国人が大荒れする内情
→中国で「汚染水で海水が2色に」のデマがトレンドに…処理水問題で中国人が大荒れする内情
(2023年8月31日10:10 ダイヤモンド編集部)