大きなお金が動くプロジェクトであれば、関係者が複数いますし、資料もあるはずです。資料があれば読み込んだりして、本当かどうかを調べて判断することもできますね。でも、ひとりの人の話を聞くだけでは、全貌が見えてきません。だから、騙されることになるわけです。その人ひとりだけの話を聞いて判断すると、間接的な話でしかない分、大元まで押さえられないので危険です。

 わたしの場合は、相手の入金元もわかっていたので、安心してお金を貸していたのですが、最終的に支払い元がその人のことを裏切ってお金が入らなかったために資金回収できなかった、という経験があります。

 さまざまなケースがありますが、ビジネスの世界も、究極はオレオレ詐欺のようなものとも言えます。最初は騙すつもりがなかったとしても、返せないのに相手にお金を出させてしまえば、詐欺のようなものです。

 騙されないようになるには、自分の本業を安定させることが唯一の解決策です。余計な本業以外の利益を、頭に描かないほうがいいでしょう。本業を安定させ、本物をしっかり見極める目を養いたいですね。

急に近づいてくる人物は
詐欺まがい案件と考えるべき

「いままで全然親しくなかったのに、やけに最近近づいてくるな……」と思ったら、疑ったほうがいいかもしれません。自分自身を守るためにも、こんな人がまわりにいたら気をつけましょう。

・ご飯をごちそうしてくれたり、羽振りがよさそうな雰囲気を出している。
・仕事のアポイントはなかなか取れないにもかかわらず、頻繁に訪ねてきたり、いままででは考えられないような頻度で連絡してくる。
・5回目以上で、話を持ち出してくる(2、3回ではそれらしい話をしてこない)。
・自分がいかにも大きな仕事をしている、特別な仕事をしているという話をしてくる。
・「乗せてあげましょう」「一枚噛ませてあげましょう」というスタンスで話をする。
・「あなただけに特別にこのくらいのリターンがありますよ」と投資の話をしてくる。