もちろんあなたとその相手との関係性にもよりますが、前述の内容に当てはまる特徴があるとしたら、注意して接したほうがいいですね。
ただし、気をつけるのは相手だけではありません。自分自身の、「ラクして儲けたい」という下心にも気をつけなくてはいけません。
「大きいお金が入ったら、○○円払いますから」という話が出てきたとき、次のように思ってしまったら危険です。
「今月はこれが入るだろうから、いまならお金は出せそうだな。いま助けておいたら、こちらが困ったときに助けてもらえるはず。こちらも安定したいしいいかもしれない」
こういう話はたいていうまくいきません。でも、まだ自分の会社の資金が安定していないときには、つい欲や下心が出てきて、お金を出してしまうのです。
人にお金を融通するときには、相手だけではなく、自分にも注意しましょう。詐欺とまではいかないものの、ギリギリのラインの話というのは、意外と身近にもあるものです。
「こういうお金が入るから貸しておいて」「いまこういうプロジェクトをやっているから、この部分だけ出資してほしい」
こんなフレーズが相手から出てきたら、そのまま受け取らないほうが賢明です。
ある経営者が、「何十億円儲かる」という話をされて、5000万円出してしまったことがありました。
第三者の立場で話を聞くと、明らかに詐欺だとわかるのですが、本人は信じきって、疑いもせずにお金を出してしまいました。「ラクして儲けたい」という思いが、目を狂わせたのでしょう。
決して他人事ではありません。自分のところにいつ話がくるかはわからないのです。相手を見極める目を持ち、自分の下心に注意したいものですね
大企業出身のキラキラ起業家が
掲げる夢物語には要注意
もともと大企業にいて、起業家の経験もないままに資金調達している経営者は、もっとも危険です。
夢だけ語って、「わたしは大企業にいました」と言って、まわりに期待だけさせるのですが、このタイプの人は、大企業でどのような成果を出してきたのかを言いません。ただ大企業のネームバリューを利用しているだけなのです。
いざ話を聞いてみると、ただ大企業にいただけであり、お金の運用や資金繰り、経営者としての資金調達などの実務経験が何もないということも少なくありません。
そんな人が、うまくいくはずがありませんね。ネームバリューに惑わされず、冷静に見極める必要があります。
大企業のネームバリューを利用して起業する人たちの多くは、形から入ります。従業員をたくさん雇い、給料をとんでもなく高くして、事務所もいいところに構える。まだ経営の素人で、売上がまったくないのに、なぜか高額の給与をもらえる従業員を5人も10人も集めてしまいます。
以前、経営アドバイザーとしてセミナー講師をしている人がいました。見た目がキラキラしていたので、期待されてしまったのでしょう、スポンサーがお金を出すからという流れで、会社をつくったのです。
親会社との利害が一致したのかもしれませんが、簡単にぽんとお金を出してもらって社長になれてしまったために、調子に乗ってしまったようでした。
『社長のためのお金のトリセツ 資金繰り、融資、契約、決済、支払い、交渉、節税』(かざひの文庫)大林誠一 著
形から入り、大きなことを言ってみんなを誘い、給料も高く設定し、事務所もいいところを借りた。そして大風呂敷を広げたものの、蓋を開けてみれば仕事がない、売上がないという状態になってしまったのです。
起業してお金を集めるのが間違っているわけではありません。ただ、集めたお金をどうやって運用していくのかをしっかりと考え、自分がお金を稼いで期待に応えるという気持ちを持って取り組まないと、いざお金がなくなったときに、「しょうがないよね」という言い訳の言葉で終わってしまいます。
そうなってしまうくらいなら、最初から出資を募っての起業はやめたほうがいいでしょう。こういったタイプの社長や会社に、引っかからないようにしたいものですね。







